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四国八十八ヶ所霊場 第八十八番 医王山遍照光院 大窪寺

所在地:〒769-2306 香川県さぬき市多和兼割96
電話:0879-56-2278
宿泊施設:なし

【由来】
寺伝によると、元正天皇のころ、行基菩薩がこの地に留錫し、開創したと伝えられている。
のち、唐より帰国した弘法大師が現在の 奥ノ院の岩窟で求聞持の法を修し、大きな窪のかたわらに堂宇をたてて自ら刻った薬師如来をご本尊として安置したという。
大師は四国巡行中に手に持っていた三国(日本、唐、天竺)伝来の錫杖をここに納めて第八十八番結願所と定めた。
本堂と大師堂にはお遍路さんから納められた金剛杖や病気快復のお礼の松葉杖が数多く並べられ、結 願寺としての寺の風格を感じるお寺でもある、と、同時に四国霊場発心の道場から始まり、修行、菩提・涅槃の道場を踏破した喜びを胸 に祈願成就を願ってお遍路さんたちは、この結願寺の門をくぐったろう。

【民話】
昔、あるところに一人の男がおった。
よそへ行っていたが、帰りがおそくなったので山の中のお堂に 泊った。じっと寝ているとぼそぽそと声がする。何だろうと思って聞き耳を立ててみると、今夜どこそ この家にお産があるからお産を見に行くが、一緒に行かぬかと言っている。すると、お宮の神様の声で
「今夜はお客があるから行かれぬ」
と言っている。 すると訪ねてきた者は、それではわし一人で行ってくるわと言って出かけてしまった。男は再びうと うとしていると、しばらくして先の者が立ち寄って、
「一軒の家では男の子が生まれたが、この子は一つのブニ(福分)もない。一軒の方は、橋の下の乞食 で、女の子が生れたが、ようけブニを持っとる」
と言ったそうな。
そこで男は、自分の家でも、もうそろそろ子供が生まれる頃じゃと気がついた。そして、夜が明けるの を待って急いでわがとこに帰ってみると男の子が生れとる。はてはあの山で聞いたのは本当のことかと 思って今度は橋の下へ行ってみると、ここには乞食に女の子が生まれとる。これは、どうしたことかと 思ったが、わが家の男の子と乞食の子をいいなづけにしたらよかろうと思って乞食の家に行って、
「大きくなったら嫁にくれや」
と言ったそうな。乞食の方ではぴっくりしたが、すぐに承知したそうな。
それから何年かたって、いよいよ乞食の娘が男の家に嫁に行ったそうな。プニのない男ではあったが、 その嫁が来てからブニがついてるけに次第に身代もようなってきたそうな。
ある日のこと、その男は、
「よその嫁は、『今日はおじさんの所へ行ってくる、明日はおばさんの所へ行てくる』というのに、お前 はどこの馬の骨か分からぬけにどこへも行くことができぬ。そんな嫁は家の恥じゃけに、どこへでも出 ていてくれ」
と言うて、とうとう嫁を追い出してしもうたそうな。
そこで嫁は今さら橋の下へも帰れず、どこをというあてもないので、とぼとぼと歩いとったそうな。
ある町へついたところが、そこの町の商人の家で妻をなくして困っとる家があったそうな。そこへ置い てもろて、とうとうそこの嫁さんになったそうな。
その嫁が来てから嫁のブニのおかげか、商売が繁盛してその商人の家はみるみる身代が太うなって、たい そうお金ができたそうな。
ある日、夫が留守の間に一人の乞食がその家へ物乞いに来たそうな。嫁がよく見るとそれは元の夫じゃ。 今は乞食になったのかとあわれに思うたので、嫁は夫がいないのを幸いに三枚の小判を桝の中に入れて やったそうな。そこで乞食は喜んで帰りよったら、桝の底に穴があいとったので、知らぬうちに小判が みな落ちてしもうたそうな。
商人の夫は、わが家に帰る途中で小判が落ちとるのを見つけたそうな。それでそれを全部拾うて戻っ てきたそうな。ブニの無いものはどうしても仕様がないもんじゃ。

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