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四国八十八ヶ所霊場 第五番 無尽山 荘厳院 地蔵寺

所在地:〒779-0114 徳島県板野郡板野町羅漢林東5
電話:088-672-4111 宿泊施設:なし

【由来】
弘仁十二年(八一一年)嵯峨天皇の勅願を受けた弘法大師は、この寺 を開くと共に勝軍地蔵菩薩(一寸八分)五・六センチを刻んで本尊とさ れた。その後、紀州熊野権現の神霊を遷す勤めを仰せつかった浄函上人 が、権現のお告げと霊木を授かって下向し、二尺七寸の延命地蔵尊を刻 みその胎内へ、大師の刻まれた勝軍地蔵菩薩を納められた。
かつては三百の末寺をもつ中本寺で、高野山の管長、大覚寺、仁和寺 門跡を出した名刹。嵯峨、淳仁、仁明天皇のご帰依をはじめ、なかでも 義経、蜂須賀家などの武将たちの信仰が厚く、寄進により領域は宏大で あった。また、境内の裏山には五百羅漢がある。これは安永四年に実聞、 実名という兄弟僧が建てたものだが、大正四年に巡拝者の火の始末で焼 失、現在のそれは後の再建である。ともかく木像の五百羅漢としては日 本最大のものである。そのほか、境内には大師お手植えのイチョウの巨 木がある。(たらちね銀杏と呼ばれている。)

【民話】
山ぶかいところに、おばあさんはよく働く孫と二人暮らしをしていた。
「正吉や。今夜は親戚に祝いごとがあるので出かける。夜は帰ってこ れないから戸じまりをして早くやすみなさい。」
といっておばあさんは昼すぎに出ていった。孫の正吉は、おばあさん にいわれたように早くから戸じまりをしてやすんでいた。ところが夜 おそくなっておばあさんが急に帰ってきた。
「わたしじゃ。はやく戸を開けてくれ…。」
正吉は、
「ははん、これは狸じゃ」最近ちょっといたずらしよらんと思ってい たが今夜おばあさんがいないことを知って、わしにいたずらしにきた なあと思い、
「はい。いま開けます。」
といって戸を開けた。
「おかえり、どうじゃった。みんな元気だったか…。」
「いつもばあさんは外から帰ると唐米袋に入るんやな…。」
「入ったら上から縄かけて納屋へほうりこんでくれ、というんじゃなあ。」
「といっていつもこのわしを困らすなあ」
と大きな声で狸にはなしかけた。そんなこととは知らない狸は、
「そうじゃ。そうじゃ。そうだったなあ。」
といって孫が出した唐米袋にはいった。正吉はしめた。これで納屋で 火をつけ、いぶってやろうと。納屋につれて行き、火をつけようとし ていた。袋の中のばあさんにばけていた狸は大変。
「しもうた。正吉にばかされた」
と気がつくと、いそいで袋をやぶりおもてに飛び出た。正吉は、ばか な狸め…。明日の朝にでもつかまえてやろうと思い、その夜はねた。 朝になった。そうじゃ、今日はあのいたずら狸め、つかまえて汁にし てやろうと思い田んぼに出ていった。村はずれのお地蔵さんのところ まできたとき、
「あれ、これはどうしたことじゃ。」
いつもお地蔵さんは一体なのに今日は二体とは、そうじゃ。狸のや つがばあさんの帰りをまって、おぱあさんにいたずらしようとして いるなあと思い、正吉は狸がばけていることも、知らぬふりをして
「いつも、お地蔵さんあんたはわいが通るたびに笑ってくれよった なあ、今日はどうしたことじゃ。」
「すましとるなあ。」
といって通りすぎようとしていると右側に立っていたお地蔵さんが ニヤニヤ笑いだした。
「こらっこんどはにがさん」
といって正吉は狸をつかまえた。
「ばあさんも今日は帰ってくる。今夜は狸汁でもして食べよう。」
袋の中でそれを聞いたたぬきは、
「正吉さん、二度とわるさはしませんから、助けて下さい。」
と狸が泣きだした。正吉は、
「そうか、ばあさんもお祝いごとでるすしている。めでたいときの こと、助けてやろう。」
と思い袋からたぬきをとり出し、ゆるしてやることにした。たぬき は何度も何度も礼をいって山の中に消えていった。それからという ものこの山の近くにはたぬきを見た人もいないということじゃとさ。

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