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四国霊場 第一番 竺和山一乗院 霊山寺

【 第一番札所 竺和山霊山寺 】
宗派:高野山真言宗
ご本尊:釈迦如来
開基:行基菩薩
所在地:〒779-0230 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126
TEL: 088-689-1111
宿泊施設:あり
 霊山の 釈迦のみ前に めぐりきて
  よろずの罪も 消えうせにけり

【由来】
 天平の頃、聖武天皇の勅願により、行基菩薩が開基した寺。のち弘仁六年 (八一五年)弘法大師が二十一日ほど留まって修法され、この間霊感を得て、 印度(天竺)の霊山を日本(和国)にうつされる意味から竺和山霊山寺と号し たという。 大師は四国霊場の開創に当って、四国の地に大日如来の胎蔵界四重円壇のマ ンダラ道場を求め、発心(徳島)・修行(高知)・菩提(愛媛)・涅槃(香川) と定め、心身救済の道場として、人間が持っているといわれる八十八の煩悩 を消減せんがための霊場であり、持仏の釈迦誕生仏を本尊前に納めたのち、 八十八ケ所の第一番寺と定められた。 四国遍路は、どこから札はじめをしても良いと言われているが、正式にはこ の霊山寺から出発することになっている。霊山寺の大師堂で「授戒」を受け 巡礼に旅立つ。
授戒(十善戒)とは、
 一、生きものを殺さない。
 二、盗みをしない。
 三、邪淫しない。
 四、うそや偽りをいわない。
 五、大ぶろしきをひろげない。
 六、悪口をいわない。
 七、二枚舌を使わない。
 八、むさぼらない。
 九、怒らない。
 十、不正な考えを起こさない。
以上の誓いをたてるということ。

【民話】
 霊山寺の近くに、たいそう貧しいが気のやさしい、お爺さんとお 婆さんが住んでいました。正月も十五日が過ぎ、お爺さんは町に薪 を売りに行きました。その帰り道のこと、家の近くの松の木の下で 七人の旅人が雨やどりをしていた。その日は雪まじりの冷たい一日 でもあった。お爺さんは、七人の旅人たちに
「そんなところで雨やどりをしていると、風邪ひくか、身体には悪 い。」
「さあさあ、むさぐるしい所じゃが、私の家で休まれたらどうじゃ。」
「ありがとうこさいます。それではおじゃまさせてもらいます。」
といって旅人たちはお爺さんの家で休ませてもらうことになりまし た。 なおも雪まじりの冷たい雨はやまない−。 旅人たちは、いつ迄もお爺さんの家にいるわけにもいかず
「お爺さん、笠を借してもらえないだろうか−。」
「来年のお正月迄にはきっと返しにまいりますから−。」
といってお爺さんに問ねた。 お爺さんとお婆さんは家中さがしまわったが、笠と蓑をやっと四つ、 婆さんが番傘を二本さがし出した。どうしてもあと一人分たらない。
「そうだ、わしが着ている蓑がある、あれをお使い下さい。」
といって、七人の旅人の雨具を都合した。旅人たちはたいそう感謝 して、雪まじりの雨の中をたちさった。 そして、その年の大晦日の晩がやってきた。
「婆さんや、明日がお正月だというのに、餅も打けず、すまんの う−。」
「どうれ−。もう婆さんや寝ようや−。」
といって床につこうとしていたとき、外がばかにさわがしい−。
「今晩は、今晩は。」
と戸をたたく音がした。お爺さんは
「はい、はい。」
と声をかけ戸を開けた。
「おお、この前の方々、ほんとうによう来て下さった。明日が正 月というのに何んにもないが、上がって休んで下され−。さあ、 さあ。」
と心よく旅人たちにすすめた。七人の旅人たちは
「これ、これ、お爺さん、お婆さんやその節には大変お世話にな りました。私たちは、実は、年取りの神様じゃ、(お正月の神様) 出雲の神様たちのおつかいで来年の福をどなたにさずけようかと、 日本中の家々をたずね歩いていたのじゃ。」
「そんなときお爺さん・お婆さんのあったかいもてなしをうけた のじゃ−。」
「あれから数えきれないほどの家を訪ねたが、お爺さんや、お婆 さんのように、親切で心やさしい人には恵ぐりあえなかった。」
「そして、出雲に帰り、神様たちと梱談した結果。お爺さん、お 婆さんの家へ、お正月の福を授けにやって来たのじゃ。」
「何んでもいるものがあったら言って下さい。」
と言って、打出の小槌から、『お正月のお餅とお金、着物と、み そ、しょうゆなど』お爺さんやお婆さんが欲しがっていたものが 山のように出て来た。 そして、旅人たちはたちさるとき、
「明日の朝、目がさめたら、朝日に向かって『おはようございま す』といって礼拝すれば、あなたたちが一番欲しがっていた子供 がさずかります」
といって、姿を消した。 お爺さんとお婆さんは、昨夜の事がうそのように思えたが、打出 の小鎚やお金や着物やお餅が山のようにあることに気がつき、本 当だったのだと思い、
「おはようございます。」
「新年あけましておめでとうございます。」
と、朝日に向かって拝礼して頭を下げると、りりしい顔した立派 な若者が立っていた。 お爺さんとお婆さんはおおよろこびして、その若者と仲むつまじ く、未永く辛わせな暮らしをしたということじゃ−。

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