●カザグルマ(キンボウゲ科)
Clematis patens Morr. et Decne. クレマテイス パテンス(開出
した)
日あたりのよい山野に自生,庭にも植えられるつる
性の木本。3〜9小葉からなる複葉が対生して,葉柄
でものにからみつく。花は白,紫,ピンクなど,径10cm。
花弁のようなものはじつはがく片で,ふつうは8枚。
だからその外側にはがくらしいものはない。中心に多
くのめしべが集まり,まわりを多くのおしべがとりま
いて,おしべは熟したものからつぎつぎに,外側にそ
り返る。 本州,四国,九州。花期は4〜5月。
[原始の花]いま多くの学者は,カザグルマのよう
に多数のおしべとめしべとを持つ花を,地球上の花の
原型をのこしているものと考えている。たいていの花
は,めしべは1本からせいぜい5本,おしべは10本以
下で,日本でおしべもめしべもともに多数をもつ草の
花に出会ったら,キンポウゲ科かバラ科かのどちらか
と見当をつけて,たいていは当たる。こうした花の原
型を保存する花には美しいものが多い。アネモネ,ボ
タン,オキナグサなどみなキンポウゲ科である。写真
は,岡山県まで出かけ,背丈にあまるやぶをかきわけ,
かきわけ,やっとめぐり合ったもの。つるは長くのび
て広い斜面をおおいつくし,200にあまる花の群れ,
目をみはった。この深いやぶが人目からこの花を守っ
ていてくれたのである。属名のクレマティスは「まきひ
げ」の意であるが,ふつうにいうまきひげはなく,葉
柄でからみつく。この属のもののほかにはまず例がな
い。園芸上のクレマティスには,カザグルマのほかに
中国原産のテッセンがふくまれる。中国名を鉄線蓮といい,種子の油を工業用とし,根を薬用にする。花弁
のようながく片はふつう6枚,長い花の柄の途中に葉
状包とよばれる1対の葉がつくので,がく片がふつう
8枚で柄に葉のないカザグルマから見わけられる。
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