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カザグルマ(キンボウゲ科)
Clematis patens Morr. et Decne. クレマテイス パテンス(開出 した)
日あたりのよい山野に自生,庭にも植えられるつる 性の木本。3〜9小葉からなる複葉が対生して,葉柄 でものにからみつく。花は白,紫,ピンクなど,径10cm。 花弁のようなものはじつはがく片で,ふつうは8枚。 だからその外側にはがくらしいものはない。中心に多 くのめしべが集まり,まわりを多くのおしべがとりま いて,おしべは熟したものからつぎつぎに,外側にそ り返る。
本州,四国,九州。花期は4〜5月。
[原始の花]いま多くの学者は,カザグルマのよう に多数のおしべとめしべとを持つ花を,地球上の花の 原型をのこしているものと考えている。たいていの花 は,めしべは1本からせいぜい5本,おしべは10本以 下で,日本でおしべもめしべもともに多数をもつ草の 花に出会ったら,キンポウゲ科かバラ科かのどちらか と見当をつけて,たいていは当たる。こうした花の原 型を保存する花には美しいものが多い。アネモネ,ボ タン,オキナグサなどみなキンポウゲ科である。写真 は,岡山県まで出かけ,背丈にあまるやぶをかきわけ, かきわけ,やっとめぐり合ったもの。つるは長くのび て広い斜面をおおいつくし,200にあまる花の群れ, 目をみはった。この深いやぶが人目からこの花を守っ ていてくれたのである。属名のクレマティスは「まきひ げ」の意であるが,ふつうにいうまきひげはなく,葉 柄でからみつく。この属のもののほかにはまず例がな い。園芸上のクレマティスには,カザグルマのほかに 中国原産のテッセンがふくまれる。中国名を鉄線蓮といい,種子の油を工業用とし,根を薬用にする。花弁 のようながく片はふつう6枚,長い花の柄の途中に葉 状包とよばれる1対の葉がつくので,がく片がふつう 8枚で柄に葉のないカザグルマから見わけられる。

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